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第二回口頭弁論---その9---一時中断

裁判官     「えー。それではちょっと……司法委員の方と相談しますので……。
          皆さん一旦退廷して下さい。」
書記官     「ええ。原告も被告も……。傍聴席の方も、一旦外に出てもらえますか?」

ぞろぞろと出る。

時間は4時43分……。
時間が無い。
裁判官は「5時までだ」と言っていた……。

改めて思う…………。

引田君を先にしてもらったのは正解でした。
もし山本さんが先なら……引田君の証言の時間がなくなっていたかもしれない。
それにみんな…山本さんの話が長くて…聞き疲れて…引田君の証言をちゃんと聞いてくれなかったかも。

川畑      「山本さん、お疲れさまでした。」
山本さん    「いいえ。お役に立てたでしょうか?」
川畑      「ええ。もちろん。「中立」の立場から見ても被告のネコに見えるとアピール出来たハズです。
          引田君もおつかれさん。」
引田くん    「あっ、はい。」

話しながらベンチに座った。

川畑      「あのー、山本さん。あのネコが駐車場に住み着いたのって山田屋のエサの所為でしょ?」
山本さん    「多分…そうでしょうね…山田さんの言うように迷い猫だとすると…人間の用意した
          エサに慣れているでしょうから生ゴミを漁ったりはまだ出来ないでしょうから。
          山田さんの家のエサは食べやすかったんでしょうね。」
川畑      「じゃあ山田屋のネコって事ですよね?」
山本さん    「ええ、先ほどもお話ししたとおり……
          私個人としましては…そう思って責任を取って頂きたいのですが…。
          ちなみに『環境庁』の見解では……
          『猫に餌をやっていても本人が猫の飼育を認めなければ飼い主とは認めない』
          という判断なんです。
          ようするに本人の気の持ちようと仰いますか…責任感と仰いますか…
          モラルの問題ではないでしょうか?」
川畑      「なるほど。」
山本さん    「それにね…山田さんは別の猫を飼っているのですから猫ちゃんが好きなハズなんです。
          可哀想な猫ちゃんなんですから追い払ったりしないでエサぐらいはあげて欲しいんです。
          『ついで』だと思うんですけどね。」
川畑      「はあ……。」

山本さんはいい人だなあと思いました。
タロウもこんないい人なら裁判なんてする必要はなかったのに…………。

ちょっと離れて陣取っている「被告山田陣営」……。
なにやら話をしてはいるが……。全く聞こえない。
たぶんコチラの話も全く聞こえていない事でしょう。

山本さん    「それにしても引田さん。あの可愛い猫ちゃんは貴方が近寄っただけで逃げたの?」
引田くん    「ええ。そうですよ。」
山本さん    「どんな風に近づいたの?」
引田くん    「えっと……手でシッシッとしようと構えながら近づいたら逃げましたよ。」
山本さん    「ダメよ貴方!そんな近づき方しては!猫ちゃんは貴方を恐れて逃げますよ!」
引田くん    「えっ!?」

引田君は困っていた……が……面白いし、和んできたので口を挟まないことにしたw

山本さん    「もっとね無防備な感じで『貴方の敵ではありませんよ』って雰囲気で近づかないと。
          コッチが無防備になれば猫ちゃんも警戒しなくなるの。
          ワタシなんて近づいていったら猫ちゃんの方から寄って来てスリスリしてきましたよ。
          だからワタシもナデコナデコしてあげてねぇ。コロコロと駐車場で転がりだしちゃって……。
          猫が無防備にお腹を出すって言うのはね……警戒していない証拠なんです!
          だから貴方もそうやって近づけばよかったのよ。」
引田くん    「……………?」

引田君はさらに困っていた……が……裁判所とは思えないほどのホンワカした雰囲気になっていた。
なのでワタシは黙って聞いていた。

山本さん    「まずは猫ちゃんの性格を見極めるの。例えば…目があった時に『ビクッ』とする猫ちゃん
          の場合は知らんぷりしながら近づくのよ。そうすれば……………



































ユミコ「『食べてます。食べてます。』ってくどいんだよね。」



………………。

ユミコ「『食べてます。食べてます。食べてます。』ばーっかり。」

タロウ     「まぁまぁ………。」




引田くん    「!!」
川畑      「!!」
山本さん    「!!」

……………………………。

突然タロウの妻ユミコが大声で叫んだためみんな『ビクッ』として静まりかえった。
ワタシは反射的に「キッ!」っと睨んだ。
するとタロウに0円スマイルで返された。

……………。

この時…改めて思いました……『裁判にして正解だった』……と。
この人達と当事者だけで話し合うなんて考えただけでガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブルです。
ワタシが1人で山田屋に話し合いに行く時の情景を大袈裟にイメージすると…こんな感じ です。

………。

法廷の扉が開いて書記官が出てきた。

書記官     「終わりました。どうぞ入廷してください。………あ。こちらからで結構ですよ。」

真っ先にタロウが入る。

ワタシはさっきのタロウ夫婦の行為を裁判官に伝えてくれるように書記官に頼んでから入廷した…。
あの夫婦の人間性を伝える為ですが……伝えてくれたかどうかは分かりません………。
……ワタシが入廷した頃、既にタロウは席に着いていた。

いざ再開…次はいよいよ被告との直接対決です。









以下次号→第二回口頭弁論---その10---被告尋問




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