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第三回口頭弁論---その7---傷〜終結

川畑      「えっとですね……被告の準備書面のですね……」

と書面を確認しながら………。

川畑      「被告の準備書面の7ページですね。『原告準備書面4ページの4項目に対する答弁F
         右後方部分に長さ約7cmの白線状の傷』ですね……。」

さあタロウはどんな反応を見せてくれるのでしょうか!

川畑      「傷の大きさですね……長さと幅………これを詳しく教えてください。」
タロウ     「………はぁ?書証で出してるでしょ……写真。」

来たっ!まあコレは当然の反応でしょう。

川畑      「え……?どれですか?」

と……わざととぼけてみせた。

タロウ     「乙6号証のAですよ!……メジャー(定規)と一緒に写っているじゃないか!」
川畑      「いやーーーー。これですか……?」
タロウ     「そうですよ……それしかないでしょう!!」

わざとらしく首を傾げて……。

川畑      「この写真の傷なんですけどね……………無いんですよ………。」
タロウ     「ぶっ!!」

タロウは驚いていた……。

タロウ     「………ふぅ〜〜〜。」

と一呼吸している。

タロウ     「あのねぇ……乙6号証のAとBを見てくださいな……。」
川畑      「だからこれは捏造じゃないんですか?」

……。

タロウがムッとしたw
作戦通りです!

タロウ     「Aについてはメジャーと一緒に傷のアップの写真ですよね?」

声が怒ってきた。

タロウ     「Bについては車のナンバーも含めた傷の写真ですよね?………わかりますか?」
川畑      「………だから……これが無いんですよ!無いものは無いでしょうがっ!!」

タロウの唇がプルプルしだした。

…………………………………………。



タロウ     「だったら書証で出してください!!!!!」
川畑      「はい、これです。」

即答です。
そして、あの写真を取り出し…いつものように回覧した。
タロウが書証として提出していたものと同じ構図です。もちろん傷はありません。
写真を見たタロウはさらに唇プルプルの速度が速まったw

怒りマックスのようです。

タロウ     「修理しただけでしょ!!あなたは最初から傷はなかったと主張するんですか!!」

予想通り過ぎて笑いがこみ上げてきたのですが必死に堪えて冷静に……淡々とした口調で……

川畑      「さあ?ワタシは写真でしか見た覚えがありませんよ。傷が有ると主張したいなら……
         どうぞあなたが立証して下さい。」

タロウはさらに唇プルプルの速度が加速し32ビートに達していた。

しかし数秒の沈黙の後……



チーーーーン!! 」

どうやら閃いたようです。
唇のプルプルが止まり…タロウの顔は、してやったり顔に変わっていました。
そしてタロウは裁判官に向き直し…

タロウ     「裁判官!!原告は嘘を付いています!!原告は指で傷を確認しています!!」

自信たっぷりに話し始めた。

タロウ     「この写真です!見てください!」

そして一枚の写真を取り出しいつものように回覧され、私に回ってきた。
予想通り、傷を指で確認した跡がわかる写真でした。
指で触った部分だけ汚れが取れているのが分かります。

タロウ     「残念でしたね!川畑さん!!」



タロウはこれでもかと言う程の勝ち誇った顔をしてワタシに吐き捨てたのですが

すぐに裁判官の方に顔を向け

タロウ     「裁判官!!原告は偽証を行いました!!どうか厳罰を与えて下さい!!!」


……。


タロウの一言で法廷内は静寂に包まれた。

………。


タロウは勝ち誇った顔でワタシを睨んでいた。



………。



今だけです。
今だけはタロウをいい気分にさせてあげる必要があるので、しばらく間を置いてから話し始めました。
切り札の出番です。

川畑      「私は傷に触っていませんよ。コレが証拠です。」

そして証拠一式を取り出し…いつものように回覧。
証拠の内容は「車に付着していた傷を確認した指の指紋を採った紙」と「私の指紋」。「その二つが別人であることの専門機関による証明書」、そして「指紋採取作業風景の連続写真」です。もちろん海原がお膳立てしてくれた事です。

証拠一式がタロウに渡ったのを見計らい話し始めました。


川畑      「先日、友人に洗車をしてもらいました。コレは事後に報告を受けて知った事ですが…

         友人は洗車時にショッピングカートがぶつかったような跡を見つけました。

         その友人は私が車の事で裁判を行っている事を知っていますので何か関連があるかも

         しれないと考え指紋採取等の証拠保全をしてくれました。」



タロウの唇プルプルが再始動した。



川畑      「最もその白線上のモノは塗料が付着していただけのようで…ワックスで擦るだけで

         落ちたそうです。指の跡は……多分ぶつけた人が指で触ったんでしょうね。

         こんな大袈裟な証拠保全は必要無かったのですが…思わぬところで役に立ちました。」

タロウの唇プルプルはさらに加速し顔が赤くなってきた!

川畑      「被告。ワタシ…偽証しましたか??」
タロウ     「……………………。」

返事がない。

川畑      「山田さん?」
タロウ     「……………………ぃぃぇ。」
川畑      「聞き取りにくかったのでもう一度お願いします。」

………。

再び法廷内は静まりかえった。



………。



ガサッ




ガサガサッ



最初は何の音か分からなかったのですが音の主は……タロウでした。
書類を持つ手が震え紙が音を立てていました。



ガサッ





ガサガサッ







ガサガサッガサガサッガサガサッガサガサッ



グシャグシャグシャグシャッ




グシャグシャグシャグシャッグシャグシャグシャグシャッ






そして………



タロウ   「いいえっ!!!! 



タロウの絶叫が法廷に響き渡りました。

顔は真っ赤です。



裁判官    「ひ……被告。落ち着いてください!!」
川畑      「裁判官。ワタシからは以上です。」

…。



……。



………。

…………………………………………。

……と、こうなるハズだったんですが………。



裁判官    「もういいです!!その件も今更争うところでも無いでしょうっ!!」

怒っている。

タロウが唇プルプルしだしたのに気付き、これ以上はマズいと判断したのでしょう。

川畑      「ですがっ!!裁判官っ!!無いものは………。」

どうしても切り札を出すところまで行きたかったので、粘ったのですが、

裁判官    「いいですっ!!もういいですっ!!これ以上は無駄ですっ!!弁論終結しますっ!!」

マジギレです……。
もうこれ以上タロウの粘着ぶりに付き合いたくないのでしょう。

あ〜あ……裁判官、キレてしまったではないか……。

そしてワタシまで一緒に怒られた様子ではないか………。

裁判官    「弁論終結っ!!結審っ!!………判決は9月25日1時半っ!!」

そう言い残すと資料をワシ掴みにして怒ったまま足早に退廷……。
終了時の一礼も無しです。

廷内には、ちょっぴり気まずい雰囲気が漂う……。

……………。

ちょっぴり焦った様子の書記官……

書記官    「えーーー。弁論終結……。結審です。………判決は9月25日の1時半です……。」

そして片付けはじめる。

驚いたまま立ちすくすタロウ。

こっちも驚いたのではあるが……まぁ………終わってしまったので仕方ない……。

ワラワラと身支度に入る傍聴席……。

退廷してしまった人もチラホラ……。

海原もいない……。

タロウが片づけをしながら書記官さんにもう一度日程の確認をしていた。

タロウ     「25日の1時半ですね。」
書記官    「そうですね……まぁ……判決は来なくても結構ですが……。
         すぐに特別送達で送りますので……。」
タロウ     「わかりました……来てもいいんですね?」
書記官    「ええ……構いません。」

そして……また来た。

タロウ     「原告さん……。」
川畑      「……………。」

無視。

タロウ     「あのーーーすいません……原告さーーん!!」

法廷の隅にいても聞こえるように声をかけるタロウ。
それでも無視。

タロウ     「原告の川畑さーーん!!ちょっと話があるんですけど……」

顔を上げる。

川畑      「なんですか?」
タロウ     「あのですね……。」

と少しもったいぶって話すタロウ。

タロウ     「判決ですが……聞きに来ますか?」
川畑      「……………。」
タロウ     「ワタシは聞きに来ますよ。……その予定ですが……。」
川畑      「ワタシは来ません……忙しいですから……。」
タロウ     「あ……そうですか……残念ですね。」

うっとおしいのでテキトーにあしらって退廷しました。

………。
裁判所を出ると海原が待っていました。

海原      「おつかれ。……切り札まで行けなかったな……。」
川畑      「ああ……。」
海原      「まあ終わったことを言ってもしょうがないよ。それにアレは元々ただのオマケ。
         本番は判決後だろ!」






以下次号→表野さんのアドバイス〜其の二〜




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